伝わる朗読-01
【伝わる朗読とは】01:朗読って難しい
世の中は「朗読ブーム」とまでは言えないけれど、「朗読」というものが認知され始めていると思います。
少なくとも、私が朗読を始めた30年(以上)前よりは、「朗読」を趣味と呼べるようになっていると思います。
以前から、あちこちで朗読会とかお話し会とかが開かれてはいました。
朗読教室などもそこここで開講されてはいました。
でもそこでの朗読は、絵本や童話を読み聞かせる子供向けだったり、老人ホームのボランティアのためといったイメージ。
朗読がメジャーになってきたと感じたのは10年くらい前からかな?
-「花より語れ」という朗読をテーマにした漫画が連載されたこと。
-さらに数年前、「朗読」をテーマにしたTVドラマが放送されたこと。
-そして、俳優はじめ、アマチュアの人が大人向けに朗読会を行っていること。
さらに今ではインターネット上でも朗読のサイトもたくさんあり、YouTubeやPodCastに朗読作品が多数上がっています。
そして、いくつかの朗読のコンクールが開催されて、朗読家なるものの朗読を競う場があります。
大人の人に物語を楽しんでもらうための朗読というのが広がっているのだと思います。
ではなぜ、どうして朗読をする人が増えているのか・・と思うと、手軽にやれるパフォーマンスだからなのかな?と思います。
台本があれば、体一つでできるから。
これだけで、表現できるのですからね。これは簡単。
これが、演劇となったら、台詞は覚えなければならないし、演技もしなくてはならない。
台本持って読む朗読と比べると、演者側の苦労の程度は相当異なります。
が、そうなのでしょうか?
朗読って難しいなって思うんです。
朗読は、結局のところ、語り手と聞き手がいて成り立つパフォーマンス。
聞き手の立場から考えてみると・・・
朗読というのは、聞き手には、語り手が語った話を頭の中にイメージしてもらうことになります。これが演劇や映画であれば、演者に動きがあり、場面ごとにその舞台が用意され、その場を合わせた音楽がかかったりする。そのような視覚情報、聴覚情報があると、観客側にとって、言葉だけで語られる朗読よりは、イメージすることがずいぶん容易なはずです。演劇や映画で一目見て分かることを朗読は言葉のみで伝えるのです。百聞は一見に如かずというわけですね。特に視覚情報は、イメージそのものなのだから。
だから、朗読は、聞き手にイメージ化を強いるパフォーマンスになるのです。
では、どうやって、朗読で聞き手にイメージを伝えられるか?
イメージを伝えるには、どのように読めばよいのか?
朗読をすればするほど、どのように読めば伝わるのかということを考え始めます。
上手い人の朗読はどうして伝わるのか?
自分の朗読とどこが違うのか?
練習すればできるようになるかと言えば、そうではないようです。
伝えようと気持ちを強く持っても、思ったようには伝わらないようです。
かえって、なんだか下手に聞こえてしまう。
ひたすら読みこめばよいわけではないし。
そんな思いを持ちながら朗読を続けています。
こんな観点から、朗読ってどうしたらうまく伝わるかについて、私なりの想いや考えをこのブログで紹介していきます。